距離感

気持ちのいい朝だった。いつ以来だろうか、こんな感覚。
世界との適切な距離感。


なにかが違った。
通勤中の読書。いつもは、何度読んでも読んだ気になれず、同じ文章を何度も何度も読み返してしまう。それでも、本当に「読んだ」のかは不安でしかたがない。ページの表面で全てが滑り落ちていってしまうような感覚。
それが、今日はなぜだか、すらすらと体に溶け込んでいく。


会社に着いたら、いつの間にか、いつもの自分に戻っていた。
もったいない。



いつもは近すぎる。自分に極めて近い世界が全て。周りが見えてない。
時々、全てに無関心になる。生きることも死ぬことも同じ。
限りなく近いところと、きわめて遠いところ。
自分自身のこと、世界の終わり。


コミュニケーションとか社会とか、そんなものが欠落している。
そんなものなくても生きていけると思っていたけど、なんでもないような小さな出来事に対して極度の不安に陥ってしまうのは、そういうものが欠けているからだろうか。
ノイズに極めて弱い脆弱な精神。



脆弱な精神でも生きていけるような生き方を身につけること。
必要なのはそういうこと。


・・・
自己完結的。いつも、答えは同じなのに、同じことを何度も思う。
同じことの繰り返し。