脳内語り

ここのところ、ハルシオンのお世話にばかりなっている。


明かりを消して、布団に入ると、完全に「何か」にフォーカスを奪われてしまう。脳内会話の始まり。
考えること事態が不可能になる。脳内での語りは完全に僕の思考を支配する。語り以外のすべてはシャットダウンされていて、僕自身にできるのは、語りをコントロールすることだけだ。何を考えようとしても、すべては語りに回収されてしまう。決して抜け出せはしない。


語る相手は様々。メンタルクリニックの先生、学生時代の気の合いそうな同級生。それでも、病院の先生以外の人物は、僕の記憶の中に残る僅かな会話可能性をもった人々だ。それらの人々とも現実には、10年以上会ってもいないため、僕に残っている希望的な記憶から形成された都合のいい想像上の人物に過ぎないのだけど。


脳内のカウンセリングルームで自己を吐露しているのだ。
毎日、同じようなことを語り続ける。たった一人で。