在りたい

ただただ、そう在りたいと願う。そんな純粋な気持ち。
不安や恐怖に追い立てられるのではなくて。
希望や夢に胸膨らませるわけでもなく。
周囲の存在とも無関係に。
ただ、そう在りたいと思う。
それが自分だと思うから。


2度寝して、目が覚めて、時計を見たら正午回ってて。いつもと変わることない、くだらない日曜日の始まり。
そんな朝、じゃなくて昼に、布団に横になった状態で、なんとなく頭に浮かんできた今日最初のこと。それは、今の自分が酷く不真面目な状態なんじゃないかってこと。誰かと比較するわけでも無く、意味とか不安とか希望とか、そんなことを完全に無視して、だた、純粋に不真面目だということ。そして、ただ、純粋に真面目で在りたいと思う気持ち。


いつから、不真面目になったのだろうか。今の僕は、確かに斜に構えていて、「世界はすべてフェイクでしかないんだ」って思っていたりする(それ以上何も考えようとしない自分は、世界から逃げているだけでしかないのだけれど)。親や教師の「いい子」でいることには努力したけど、情緒的なコミュニケーションからは逃げてばっかりだった。そして、ずっと子供だった。「いい子」でいることに、真面目であるということは重要な要素だった。僕の何の疑問も持たず、親や先生の言うことを正しいものとして受け取り(僕の世界の中で親と先生は神様だった)、人間関係を表面的なコミュニケーションでクリアしてきた。
高校、大学。すべてから逃げ出したかった。でも、自分を変えることは出来なかった。いつかはドロップアウトしようと思いながらも、結局一度もそんなことは出来なかった。社会学や哲学の本ばかり読んでいた。何にも理解できなかったけれど、たった一つ分かったことは僕は馬鹿で、そして空っぽだということだった。「いい子」を止めることは、ちょっとしたブームになっていた。そんな本が書店にはいくつも並べられていた。
社会人。親とは離れて、楽にはなれた。でも・・・何も無い。


夢も希望もない今、「何かになりたい」とは思えない。それでも、「何かで在りたい」とは思えるのかもしれない。ただ、純粋に。