涼宮ハルヒの憂鬱

http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20060606bk04.htm

世界の命運が学園の日常に直結するという趣向は、70年代のジュヴナイル(少年向け)SFにもある。が、日常から非日常へ物語が飛躍するのでなく、非日常的な面々が、崩壊ギリギリの現実の中で、「あたりまえの日常」を必死につむいでいくという逆転は、いかにも2000年代的だ。基本的に明るいドタバタコメディーだが、10〜20代のライトノベル世代の、世界に対する漠然とした「不安」を映しているようにも感じられる。