現実感

 最近、人の顔がはっきりと見えるようになった気がする。先週から増量したドグマチールの効果だろうか。それとも、ただ単にコンタクトレンズを乱視用に変えたから?。
 でも、それは現実感とはあまり関係無く、単にディスプレイの精度が向上しただけのような、そんな感じでしかない。僕は、目の前に在るものを視覚によって認識している。それは、ただそれだけのことで、現実感とは違う。もし、全てが精巧に作られたバーチャルだったとしても、僕の感じることはたぶん同じ。
 僕は目で視て、耳で聴く。それは情報の取得。そう、僕は情報を収集する装置として、そこに存在している。ただの装置として。そこには関係性が欠如している。だから僕は主体として存在することができない。だから現実感を感じることができないんだよ。