現実解はどこにあるのか

 あと30年近くは働いていくことになるんだなぁと、ふと思う。まぁ明日死んでしまうかもしれないのだけど。やりたいと思えることがあったなら、やってみたっていい。一人身の手前、守るものも失うものもないのだから。もっと心を自由に。
 いつまでも、僕の本棚に居座り続けていたのは、流体解析の本だけだった。内容はさっぱり理解できないだろう代物だけど、いつもそれはそこにあり続けた。憧れ。そういってしまえばそれまでだけど、でもそんな思いが結構重要なのかもしれないと感じている。
 いまさら流体解析業務をやりたいだなんてことは思わない。そんなことは、あまりに突飛すぎるし、現実的にもう無理だと理解している。本気でやりたければ大学に戻って研究者になるしかないだろう。まぁ、これは憧れのままでもいいし、将来的に趣味でシミュレーションプログラムでも書ければいいさ。
 そんな僕でも、まだ諦め切れないのが解析系の仕事なのだ。高専時代に5年間学んだ建築の経験と、卒業証明の証として大学時代に取得した二級建築士の資格がいま僕の方向を変えようとしている。学生時代の経験というのは結構影響するものなのだろうか。少なくとも就職後の5年間より圧倒的に影響度は大きい。学生時代の経験が今頃こんな形で僕の心を変えているのだから恐ろしい。まぁ、いずれにしろ、建築構造解析業務は、今の僕にとって一番近い現実解なのだ。それでも大きなキャリア転換には違いないし、現実的に厳しいだろうことは理解しているつもりなのだが。やれることはやっておいたほうがよいのだ。これから面白くしていけばいいのさ。そうだろ。