希薄な関係性

 どういう経緯だったか忘れてしまったのだが、なぜか今、僕は東京都に住んでいる(いや、後先考えず転職した結果なんだけど)。いま、ここに住んでいることに愛着を感じているだろうか? どれだけの人間関係を築いているだろうか? 
 ここを離れることに不安があるのは確かだ。それだけの何かが存在するような気がする。アコースティックのライブハウス。心療内科。以前勤めていた会社の同僚。ちょっとしたサークル(?)の知人。半年も住み続ければ、それなりに愛着も湧いてくるようで、住み心地は悪くない。多少の家賃の高さをのぞいて。
 なぜ、こんなことを考えているのかといえば、それは転職のことがあるからだ。やってみたい仕事があるけど、そのためにこの街を、東京を離れることを選択することも必要かもしれない。必要ならばそれでもいいのだ。迷っているのはそんなことじゃない。
 僕が感じているのは、住む街を移ってしまうことを安易に選択することが出来てしまう、そんな関係性の軽さについて。そして、そんな希薄な関係性しか築くことの出来ない自分自身を見透かされてしまうのではないかという不安。どこまでも脆弱な存在がここにいる。どうしようもないね。
 この場所が僕の何かを支えているのかもしれない。なぜか、そんなことを思って、この場所を離れることに対して多少不安を感じている。まだ、何も決まってないのだけど。