退職

 仕事を放り出して1ヶ月半。診断書を提出して一ヵ月半。これまで、僕は「休職」扱いで過ごしてきました。休職ってことは、会社に所属していることであって、当然、会社に復帰することを前提としています。でも、自分自身には、もう会社に戻る気がないことが分かってきました。
 休職期間の収入は健康保険の傷病手当金を受給でなんとかなりそうでした(傷病手当金の金額の算出根拠となる過去3ヶ月は死ぬほど働いていたので)。ただし、傷病手当金は休職している期間についてのみ支給されるものです。そういう意味では、傷病手当金という制度自体が現職への復帰を前提としているものなのでしょう(退職してしまえば支給されないようです)。
 復帰する意思がないのに休職している自分自身に対して何かうしろめたい気がしてきました。と同時に退職してしまうと収入がゼロになってしまう不安もありました。会社から完全に離れて、ある程度の収入が確保された状態で休息することが出来れば一番良いのですけど、社会制度はそうなってはいないようでした。
 うつ関連のウェブサイトを閲覧していると「うつ状態のときに重要な決断をすべきではない」との記述を目にします。うつ状態の思考の結果は、正常な思考で得られる結果ではないという理由からです。 「退職してもいいだろうか?」「退職したいという僕の意思は正常なものなのだろうか?」そんなことを考え始めていました。
 前回の診察で退職について、主治医に相談しました。先生は、僕の気持ちを否定しませんでした。2年近くお世話になってきた先生です。第3者の視点から客観的に観てくれている唯一の人です。決めるのは先生ではなく自分自身であることは分かっていました。ただ、「決断すべきでない」と先生が仰る場合は止めようと考えていました。
 そして本日、会社へ退職の旨をメールで送信しました。会社から私に返信されたメールは3行でした。1行目に「了解しました。」との記述がありました。残りは、考えが変わったら相談するように、また備品を返還するようとのことでした。私は、退職の手続きや有給消化、9月分の傷病手当の申請、退職後の書類等について質問のメールを送信しました(退職する従業員に対して、会社として通知すべき情報とは本来こういうものなのでは?)。
 半年前に転職したい旨を上司に申し出たときには、上司、部長、社長と一ヶ月に及んで引き止められ、最終的に内定を承諾していた転職先にに辞退を申し出るという最低のことを犯してしまいました。人生の最大の汚点です。
 なんでしょうね。たった3行のメールで終わりです。なんだかあっけないものです。まぁ、利用価値のなくなった従業員に対する扱いとはこんなものなのでしょう。頑張って働いてきた自分がバカみたいです。ううん、バカだったのです。ホント。
 最後の最後まで疲れそうです。早く片をつけて、ゆっくり休みたい。