火あぶりの夢

 ドイツの強制収容所(らしき場所)の檻の中。いつの時代だろうか。日本人であることを隠して労働していたことが身バレし、檻の中に拘束されてしまった人の意識の中に僕はいた。
 火あぶりに処され、身体が火に包まれる中で叫ぶ。
 熱い、熱くない、熱くない、熱くないんだ
 痛い、痛くない、痛くない、痛いよー 死にたくない
 そこで、僕の意識は彼の中から離脱し、場面は転換する。監獄のある強制労働収容所らしき場所の廊下を天井から眺めるように進んでゆく。階段の踊り場に、古びたダンボール箱らしきものを見つける。その箱には、かつて彼と共に身を隠して強制収容所で働いていた日本人の名前が刻まれている。その同僚はすでに存在しない。僕はその箱が、その同僚の身元がバレた証拠だと確信する。その瞬間、恐怖が襲う。いつか自分も身元が暴かれて、殺されてしまう。
 そんな夢。