本田由紀先生、キター

ただのミーハーですが、何か?(←こういうネット住人的な書き方ってむずい。たぶん素人がまねてるだけにみえるんだろうなぁ)。
まぁ、いいや。とりあえず、この委員長的でマシンガントークな本田先生が好きです。いや、ただのミーハーですけど。堤未果さん、本田先生、宮台先生。うーん、なんて贅沢なんだ。
http://www.videonews.com/on-demand/351360/001225.php

■マル激トーク・オン・ディマンド 第355回 [2007年12月20日収録]
タイトル:格差社会を生き抜くために知っておくべきこと
ゲスト:本田由紀氏(東京大学大学院教育学研究科准教授)

<プレビュー>
http://www.videonews.com/asx/marugeki_backnumber_pre/marugeki_355_pre.asx

 07年は、流行語大賞に「ネットカフェ難民」が選ばれ、働いても貧困から抜け出せ
ない「ワーキングプア」にも注目が集まるなど、日本の格差社会化がさらに進んだこ
とを実感させられる1年だった。
 確かに格差や貧困の問題がメディアで取り上げられることが多くなっている。しか
し、その取り上げ方は得てして表層的で、そうした社会の中で日々格差や不公正さを
実感し、将来に不安を抱きながら生きる若者にとって、どのような防衛策をとること
が可能であるかについての情報は少ない。
 そこで今回は、若者と労働、教育の現状に詳しい本田由紀氏をゲストに迎え、格差
が固定されつつある社会で、若者が陥っている困難な状況の根底にある、「社会や学
校の評価基準の変化」を明らかにした上で、そのような社会で生き抜くための戦略に
ついて考えた。
 本田氏は現代の日本の社会が、どのような学歴や能力をつけ、どのような職業を選
択すべきかといった、「人生の戦略」が立て難い社会になっていると分析している。
本田氏はこの状況を「ハイパーメリトクラシー(超業績主義)社会」と名づけ、欧米
の「メリトクラシー(業績主義)社会」がさらに日本独自の進化をとげた状態と説明
する。
 90年代までは、日本も学校卒業までの「業績」で就職先が決定し、最終学歴によっ
て自分の社会での地位を確かめることができた。学歴主義自体はそれはそれで弊害も
あったが、少なくとも努力をして学校での成績をあげることが、社会的地位の上昇に
つながるという、わかりやすい社会構造があったため、社会的な不公平感も抑えられ
ていた。
 しかし、90年代後半頃から、日本では学校や企業が、目に見える“テストの結果”
や“学歴”に加え、意欲やネットワーク力など定義があいまいで、個人の人格にまで
関わるような能力が、評価の対象となりはじめたと本田氏は言う。95年の「EQ力」
ブームや、96年の文科省が「生きる力」の育成を答申として出したころから、求人広
告にも、「生きる力」「多様性」「能動性」「ネットワーク力」の文字が踊るように
なり、その人の全人格が評価される社会が現出した。それが本田氏の言う「ハイパー
メリトクラシー社会」だ。
 「ハイパーメリトクラシー社会」の問題点は、そこで重視される能力の多くは定義
があいまいで、数値化するのが難しく、判断する側の判断基準にも個人差があり、不
公平感が出やすい。その結果、評価される側が「なにをどう努力していいのかわから
ない」状況を招き、若者の無気力や諦め、社会に出ることへの不安を助長することだ
と言う。また、その能力の多くは、多分に生得的なもので、教育や努力を通じていか
に身につけるかが解明されていないため、それが格差を固定する要因ともなってると
本田氏は言う。
 今回は、アメリカのの貧困問題に関する著作「ルポ貧困大国アメリカ」(岩波新書)
を上梓して間もない堤未果を司会に迎え、本田氏とともに、固定化が進む格差社会
生き抜くためには、現状をどのように捉え、どう行動すべきかを議論した。