チューニング

 目が覚めたときには13時を回っていた。デパスドグマチールを放り込んで再び眠りにつく。奇妙な夢の中を漂いながら眠り続ける。時計の針が15時を回った頃、やっと起床。とりあえずシャワーを浴びるも、そのまま倒れこむ。これもいつものこと。クリーニングに行かなくちゃってドアを開けたら外は雨が降っていて、おまけに寒い。
 今日は喫茶店でお茶をすることに決めていたのだけど、空は雨模様だし、なんとなく憂鬱だし、こんな客なんて喫茶店にとって迷惑なだけなんじゃないかって…、なんてどうしようもない気分になって迷ったけれど、迷惑掛けてゴメンなさい、だけどいまの僕には必要だからって、そう自分に言い聞かせて、出掛けることに。
 ディンブラとショートケーキ。テーブルには桜と百合。この喫茶店が持つ香り。やっぱり、この場所が一番落ち着くの。なにも考えることなく、ただ感じる時間。この場所にいる自分だから出来ることがある。ゆっくりと思い出すの。必要なものも、欲しいものも、とてもシンプルなことだってことを。そう、一番シンプルな自分に気付かせてくれる。そんな空間、時間。いつも、ありがとう。