リアル?

PEEP“TV”SHOW [DVD]

PEEP“TV”SHOW [DVD]

結局、僕には理解できなかった。
僕も、9.11にリアルを感じない。そして、「9.11にリアルを感じないこと」それ自体がリアルだ。そのことについては、同感。世界をカメラに切り取る行為。記録された映像を観ることの方がリアルだと感じることにも同感できる。僕も携帯のカメラで空虚な新宿の街をただ切り取って、それを眺めていたことがあるから。僕にとってそれは、時間軸をずらして自己存在を確認する行為だったように思う。カメラに記録するという行為は、世界と自己が同一時間上にごちゃまぜに存在している状態を分離する行為だ。記録された映像を見ることで、「そこに映る世界の空虚さをリアルとして感じる」自己を確認することができる。そしてそれは、記録する主体と見る主体が同じ場合、もしくは同じであると感じる事が出来る場合のみ、有効な気がする。
だから、PEEP(盗撮)という行為で、自己存在を、そしてREALを観ようとする主人公の感覚は分かる気がする。でも彼らの配信するPEEP"TV"SHOWを観る観客の欲望を僕は理解する事が出来ない。彼らは、どうしてそこにREALを感じることができるのだろうか?