涼宮ハルヒの憂鬱

涼宮ハルヒの憂鬱Ⅵ』より

 結局、普通といえば普通の毎日だった。やりたいことも取り立てて見当たらず、何をしていいのかも知らず、時の流れるままのモラトリアムな生活。当たり前の世界。平凡な日常。
 あまりの何も無さに、物足りなさを感じつつも、「なぁに、時間ならまだまだあるさ」と自分に言い聞かせて、漫然と明日を迎える繰り返し。それでも、これはこれで非日常の香りがして、なかなか悪くなかった。
 クラスメイトに殺されそうになったり、灰色の無人世界で暴れる化け物に出会ったりなんぞ、そうそうありはしないだろうしなぁ。
 そうさ、俺はこんな時間がずーと続けばいいと思っていたんだ。そう思うだろ、普通。だが、思わなかった奴がいた。決まっている。涼宮ハルヒだ。