吉澤先生

 財団法人サントリー文化財団の2006年度「人文科学、社会科学に関する研究助成」http://www.suntory.co.jp/news/2006/9533.html
 助成対象研究の代表者欄のほとんどに大学教授の肩書きが並ぶ中、NPO「recip」の理事として吉澤弥生先生の名前を目にして、なんだか嬉しくなる。

アートプロジェクトの事例に基づく文化事業評価のあり方
NPO法人recip[地域文化に関する情報とプロジェクト]理事 吉澤 弥生

 他人のことで、こんなに嬉しくなるのはどうしてだろう。吉澤先生は、僕にとってなぜこんなにも大きな存在なのだろうか。
 吉澤先生は、以前通ったコミュニケーション講座の講師だった方。社会学を専門とされ、文化・メディア・アート・地域について研究されている方だと記憶してる。個人的にお話したことがあるわけではないし、その講座で吉澤先生が担当されたのはたった3回。それでも、大学時代に人文系の講義をほとんど受講したことのなかった僕は、メディア論の講義とワークショップを合わせたような先生の講座をとても楽しんでいた。その後、ニート関連のシンポジウム(玄田有史先生が基調講演をされていたけど、僕のお目当ては樋口明彦先生と上田假奈代さんだった)の客席で、偶然、僕に声を掛けてくださった。講座の講師と受講生という関係だったにもかかわらず、僕のことを覚えていてくれたことがなにより嬉しかった。結局、あの時もあまりお話しすることは出来なかったけど、講座のお礼だけは伝えることが出来た。それは、それでよかったのかもしれない。
 そして、いま、こうして先生のお名前を目するだけで、なんだか嬉しい気持ちになる。その人の存在を感じるだけで、僕の気持ちが変化する。そのことが、吉澤先生が僕にとってとても貴重な存在であることを示す証なのだと思う。