疲れた

 3週間ぶりの病院。結局、なにも話せないまま、まぁなんとか調子はいいですと適当に返事をして薬を処方してもらった。話すべきことがあったとは思うのだけど、なんだか酷くつかれていてそんな気にならなかった。離職してしまうことの不安は、はるか昔の過去のことのように感じられ、イマのけだるさをどうにかしたかった。なぜか、「先生」の名のつく人の前では、元気に振舞ってしまう自分自身の生態にうんざりもするけど、まぁ、その程度の症状ということなのだろう。本気でやばかったら、そんなことも言ってられないのだろうからね。
 その後、映画『紀子の食卓』を観に行った。宮台真司さんや雨宮処凛さんが絶賛していたので気になっていたのだけど、僕にはよく理解できなかったらしい。経験上、僕にとっては家族なんてものは幻想でしかありえない。映画で描かれる崩壊した幻想家族から、虚構を前提として営むレンタル家族への移行。そして、レンタル家族からも離脱して歩き始めるユカの姿。彼女はどこへ向かうのだろうか。彼女の歩む道の先に何があるのか、それだけがとても気になる。僕も同じように歩いていきたいのだ。幻想も虚構も何もかもを脱して。
 それにしても、なんだか疲れた。何かをしなければいけないような気がしないでもないのだけど、何もする気になれない。まぁそれでもいいかと思えるから、状態としては良いのかもしれない。疲れてるのなら眠ればいいさ。