働く理由

 不採用通知を受け取ってから、僕は再度「これからどうするのか」について考え始めていた。正直なところ、まだよく分かっていない。
 退職後、直ぐに転職活動を始めたのは、空白期間に対する恐怖からだった。何もしない時間には耐えられそうな気がしない。いまでもそうだ。だから、スポーツクラブに入会したり、転職活動で面接して空白期間を埋めている。その他の時間は、ほとんど眠ってばかりいる。
 酷く貧しい生活。ずっとそんな生き方しかしてこなかった。学校に適応して、会社に適応して・・・。ううん、というよりは、学校に適応することで、会社に適応することで、本当に必要なことから目を背けてきた。だからレールから外れると、途端に迷子になる。
 経済的に自立することは必要だ。だけど、「働くこと」に依存してしまってはダメ。前の会社を退職してしまった理由は、「働くこと」に対して過剰に依存していたために、そこから十分な自尊感情を得られない事態に耐えられないことが原因だった。それが反省点。だから、経済的充足供給源と自尊感情的充足供給源を分離することが必要。自尊感情をどうやって充実させていけばよいのかは非常に難しいところではあるのだけど。