今週の本

 なんだかちょっと、いまの自分の心に引っかかる感じがしたのでメモ。

 さんざん欲しがってきたものを手に入れた途端に、手放したくなる衝動に駆られるときがあるのだ。嫌なのかといわれればいいえ現状に不満はないですと答えるくせしして、なんなんだわたし。
 いままでが拒絶されたり逃げられたりヒかれたり軽んじられたりなんてことばかりの人生だったからねえ。不満や不安がないのが不満や不安なのかも。貧乏性。
 たとえ束の間であっても確かに何かを手に入れたという実感だけが、もしかしたらただ欲しかったんじゃないかとまで、また最近思い始めている。
 わたしは一体なにをそんなにひねくれて、なにをそんなに怯えているんだろうか。
(『菜摘ひかるのわたしはカメになりたい』著:菜摘ひかる

涼宮ハルヒの溜息 (角川スニーカー文庫)

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