本当のこと

 本当のことなんかなんにもなくて、空っぽで、立っている場所すらも、よく分からない。どこから始めたらいいのかな。また、そんなことで悩んでいる。幼稚、と思うかもしれないけど、本当のことだから仕方ない。
 本来ならば、これまで生きてきた28年間という僕の人生の中で積み上げられてきた感覚が拠所になるべきなんだろうけど、ずっと逃げ続けてきた僕の足元はいつも不安定で、入れ替え可能な借り物ばかり。本当に自分で考えて、自分で作り上げたものが一つも無いから当然の結果か。結局のところ、僕はなにもしてこなかったということなのだろうか。そう、なにもしてこなかったのだ。