上田假奈代

『うた』
写真/森善之
詩/上田假奈代

人生は賭けではない 半でも丁でもなく 自分で選んで
自分の線路のために枕木を毎日並べてゆくただ くりかえしの
作業にすぎなくて 雨の日も風の日も

口笛を吹いて ひなたの光に目をほそめてばかりいられるわけもなく

あの日の雨を吸って 花が咲く

あきらめないのがほんものの勇気だから

捨てられたこどもの名前は
どんなに あきらめそうになっても
自分のうたをうたいつづけられる名前をつける

自分のうたを
うたいつづけられる名前を


假奈代さんの詩をよみながら、「自分のうた」について想う。