物語

 東浩紀さんは、現代社会について「大きな物語の欠如」と表現していた気がする。誰かがオウム真理教について「欠如が欠如している」と表現していた気がする。人には丁度いい物語が必要なのかもしれないと思う。ただ連続する離散的な時間に対して、直に向き合ってしまうのは酷く疲れるから。なんらかの物語がそれを覆い隠してくれるのかもしれない。物語の上を生きること。それが、社会参加というものだろうか? それによって、僕の孤立は解消されるのだろうか? そういえば、宮台真司さんは、小さな物語が乱立する状況を「島宇宙化」と表現していた気がする。社会的には問題なのかもしれないけど、僕個人は、それでもいいから物語があったほうが生きることが楽になるのだと思う。でも、どこから物語を見つけてくればいいのだろうか? それとも、物語とは、自分自身で物語るものなのだろうか。